2 器質的心疾患を有する患者に対する一次予防
ClassⅠ:
 1. 冠動脈疾患または拡張型心筋症に基づく慢性心不全で,十分な薬物治療を行ってもNYHAクラスⅡまたはクラスⅢの心不全症状を有し,
       かつ左室駆出率35%以下で,非持続性心室頻拍を有する場合
 2. NYHAクラスⅠで冠動脈疾患,拡張型心筋症に基づく左室機能低下(左室駆出率35%以下)と非持続性心室頻拍を有し,電気生理検査に
       よって持続性心室頻拍または心室細動が誘発される場合
Class Ⅱ a:
 1. 冠動脈疾患または拡張型心筋症に基づく慢性心不全で,十分な薬物治療を行ってもNYHAクラスⅡまたはクラスⅢの心不全症状を有し,
       左室駆出率35%以下の場合
ClassⅢ:
 1. 器質的心疾患を伴わない特発性の非持続性心室頻拍

 ICDの一次予防効果を確認した前向きの大規模臨床試験には,冠動脈疾患を対象としたMADIT-Ⅰ(Multicenter Automatic
DefibrillatorImplantation Trial Ⅰ )308),MADITⅡ(Multicenter Automatic DefibrillatorImplantation Trial Ⅱ)309),MUSTT(Multicenter
Unsustained Ventricular TachycardiaTrial)254),DINAMIT( Prophylactic Use of an Implantable Cardioverter-Defibrillatorafter Acute
Myocardial Infarction)310),非虚血性拡張型心筋症を対象としたDEFINITE(Prophylactic defibrillatorimplantation in patients with nonischemic
dilated cardiomyopathy)311),双方の疾患を対象としたSCDHeFT312)等がある.器質的心疾患患者の心臓突然死の最大のリスク要因は心機能
や心不全の程度であり,これらの試験はいずれも左室駆出率の低下,またはNYHA心機能分類クラスⅡ~Ⅲの心不全を有する患者が対象となっ
た.
1 冠動脈疾患患者に対する一次予防 2 非虚血性拡張型心筋症患者に対する一次予防
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Ⅴ 植込み型除細動器 > 2 器質的心疾患を有する患者に対する一次予防
不整脈の非薬物治療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Non-Pharmacotherapy of Cardiac Arrhythmias(JCS 2011)