ClassⅠ:
1. 冠動脈疾患または拡張型心筋症に基づく慢性心不全で,十分な薬物治療を行ってもNYHAクラスⅡまたはクラスⅢの心不全症状を有し,
かつ左室駆出率35%以下の場合
Class Ⅱ a:
1. 冠動脈疾患あるいは拡張型心筋症に伴う中等度の心機能低下(左室駆出率36~ 50%かつNYHAクラスⅠ)があり,電気生理検査にて心室
頻拍または心室細動が誘発される場合
Class Ⅲ:
1. 心機能低下を認めず,肥大型心筋症,Brugada症候群(薬剤誘発性を含む),早期興奮症候群,QT短縮症候群等の致死的不整脈の原因が
否定され,かつ電気生理検査にて心室頻拍または心室細動が誘発されない場合
失神は「一過性の意識消失発作の結果,姿勢を保持できなくなる病態で,自然にかつ完全に意識の回復がみられること」と定義され,その原因
の多くは脳全体の一過性低灌流が原因である330).心室頻拍,心室細動は失神の重大かつ重篤な原因であり,これらによる失神が疑われる場合
はICDの適応となる.
冠動脈疾患患者あるいは非虚血性拡張型心筋症に伴う心機能低下の程度が中等度ないし軽度(左室駆出率36~ 50%)かつNYHAクラスⅠで
あっても,電気生理検査にて心室頻拍または心室細動が誘発される場合は突然死のハイリスク群であり,ICDの適応となり得る331)-334).一方,
心機能が正常な場合では,肥大型心筋症,QT延長症候群,Brugada症候群(薬剤誘発性を含む),早期興奮症候群,QT短縮症候群等が否定さ
れれば原則としてICDの適応とはならない.
不整脈の非薬物治療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Non-Pharmacotherapy of Cardiac Arrhythmias(JCS 2011)