2 心不全を伴うペースメーカ植込み適応例へのCRT
 心不全が徐脈による二次的な場合を除く必要があるが,NYHAクラスⅢあるいはクラスⅣの心不全を有し,長期に右室ペーシングを必要とする場
合,CRT植込みがすすめられる.小規模ではあるが,いくつかの後ろ向きまたは前向き研究により,長期の右室心尖部ペーシングで心不全を呈し
た場合にCRTへの切り替え(アップグレード)による心不全改善効果が報告されている429)-431).CRT植込みの適応基準(同期不全指標)を満たす
ものはもちろんであるが,自己のQRS幅が狭い場合でも非同期収縮があればアップグレードを考慮すべきである.NYHAクラスⅠあるいはクラスⅡ
の症例に対するCRTのエビデンスは今のところない.
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Ⅵ 心臓再同期療法・両室ペーシング機能付き植込み型除細動器 > 1  心臓再同期療法 > 2 心不全を伴うペースメーカ植込み適応例へのCRT
不整脈の非薬物治療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Non-Pharmacotherapy of Cardiac Arrhythmias(JCS 2011)