Ⅵ 心臓再同期療法・両室ペーシング機能付き植込み型除細動器

◆ 心臓再同期療法(CRT-P*)
ClassⅠ:
 1. 最適の薬物治療でもNYHAクラスⅢまたは通院可能な程度のクラスⅣの慢性心不全を呈し,左室駆出率35%以下,QRS幅120msec以上で,
       洞調律の場合.
ClassⅡ a:
 1. 最適の薬物治療でもNYHAクラスⅢまたは通院可能な程度のクラスⅣの慢性心不全を呈し,左室駆出率35%以下,QRS幅120msec以上で,
       心房細動を有する場合.
 2. 最適の薬物治療でもNYHAクラスⅢまたは通院可能な程度のクラスⅣの慢性心不全を呈し,左室駆出率35%以下で,徐脈に対してペースメー
       カが植込まれ,または予定され,高頻度に心室ペーシングに依存するかまたはそれが予想される場合.
ClassⅡb:
 1. 最適の薬物治療でもNYHAクラスⅡの慢性心不全を呈し,左室駆出率35%以下で,徐脈に対してペースメーカの植込みが予定され,高頻度に
       心室ペーシングに依存することが予想される場合
Class Ⅲ:
 1. 左室駆出率は低下しているが無症状で,徐脈に対するペースメーカの適応がない場合
 2. 心不全以外の慢性疾患により身体機能が制限されたり,余命が12か月以上期待できない場合
       * ペーシング機能のみのCRT

◆ 両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)
ClassⅠ:
 1. 最適の薬物治療でもNYHAクラスⅢまたは通院可能な程度のクラスⅣの慢性心不全を呈し,左室駆出率35%以下,QRS幅120msec以上,
       洞調律で,植込み型除細動器の適応となる場合.
ClassⅡ a:
 1. 最適の薬物治療でもNYHAクラスⅢまたは通院可能な程度のクラスⅣの慢性心不全を呈し,左室駆出率35%以下,QRS幅120msec以上,
       心房細動を有し,植込み型除細動器の適応となる場合
 2. 最適の薬物治療でもNYHAクラスⅡの慢性心不全を呈し,左室駆出率30%以下,QRS幅150msec以上,洞調律で,植込み型除細動の適応
       となる場合
 3. 最適の薬物治療でもNYHAクラスⅢまたは通院可能な程度のクラスⅣの慢性心不全を呈し,左室駆出率35%以下で既に植込み型除細動器
       が植込まれ,または予定され,高頻度に心室ペーシングに依存するかまたはそれが予想される場合
ClassⅡb:
 1. 最適の薬物治療でもNYHAクラスⅡの慢性心不全を呈し,左室駆出率35%以下,植込み型除細動器の植込みが予定され,高頻度に心室
       ペーシングに依存することが予想される場合
ClassⅢ:
 1. 左室駆出率は低下しているが無症状で,植込み型除細動器の適応がない場合
 2. 心不全以外の慢性疾患により身体機能が制限されたり,余命が12か月以上期待できない場合
1  心臓再同期療法 2 両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)
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不整脈の非薬物治療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Non-Pharmacotherapy of Cardiac Arrhythmias(JCS 2011)