ClassⅠ:
1. 過敏性頸動脈洞症候群で,心拍抑制による反復する失神発作を認める場合
2. 反射性失神で,心電図で心拍抑制が記録され,反復する失神発作を認める場合
ClassⅡ a:
1. 反射性失神で,反復する失神発作があり,head-up tilt 試験により心拍抑制反応が認められる場合
ClassⅢ:
1. head-up tilt 試験により心拍抑制反応が認められない過敏性頸動脈症候群・反射性失神
反射性失神(神経調節性失神)に対するペースメーカの効果に関しては, 多くの研究がhead-up tilt 試験に対する反応で適応を決め,その効果を
検討してきた.その結果,心拍抑制型に対してペースメーカは約50%の失神抑制効果があると報告されているが98)-102),二重盲検試験ではその
効果は17%と低く,有効性は定まっていない103).一方,近年になり植込み型ループレコーダーによる自然発生の心停止を適応基準としたペース
メーカの効果はより顕著であることが報告されている104),105).また過敏性頸動脈洞症候群で明らかな心拍抑制反応を認める場合は,ペースメーカ
により症状改善が期待される106)-108).ただし,反射性失神は血圧低下が失神の主因であることが多く,第一の治療法は身体的圧上昇手技であ
ることを理解する必要がある109).
不整脈の非薬物治療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Non-Pharmacotherapy of Cardiac Arrhythmias(JCS 2011)