ClassⅠ:
1. 徐脈による明らかな臨床症状を有する第2度,高度または第3度房室ブロック
2. 高度または第3 度房室ブロックで以下のいずれかを伴う場合
(1)投与不可欠な薬剤によるもの
(2)改善の予測が不可能な術後房室ブロック
(3)房室接合部のカテーテルアブレーション後
(4)進行性の神経筋疾患に伴う房室ブロック
(5) 覚醒時に著明な徐脈や長時間の心室停止を示すもの
ClassⅡ a:
1. 症状のない持続性の第3度房室ブロック
2. 症状のない第2 度または高度房室ブロックで,以下のいずれかを伴う場合
(1)ブロック部位がHis 束内またはHis 束下のもの
(2)徐脈による進行性の心拡大を伴うもの
(3) 運動または硫酸アトロピン負荷で伝導が不変もしくは悪化するもの
3. 徐脈によると思われる症状があり,他に原因のない第1度房室ブロックで,ブロック部位がHis 束内またはHis 束下のもの
ClassⅡb:
1. 至適房室間隔設定により血行動態の改善が期待できる心不全を伴う第1度房室ブロック
房室ブロックの部位,程度,および症状を考慮して適応を決定するが24),25),66)-71),最も重要なのはブロックに伴う徐脈に起因する症状
の有無である.したがって症状のない第1 度房室ブロックは適応とならない.高度または第3度房室ブロックでは,投与不可欠の薬剤によるものや
手術72),アブレーション後で不可逆的なもの,あるいは著明な徐脈や長時間の心停止を認めるものは73),ブロックの部位にかかわらず適応あり
と考えられる.この際,徐脈や心停止の程度として具体的な数値を挙げるのは困難であるが,心室拍数< 40/分,心室停止> 3秒を参考値として
示す74),75).
不整脈の非薬物治療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Non-Pharmacotherapy of Cardiac Arrhythmias(JCS 2011)