Class Ⅰ:
1. 心機能低下または心不全に伴う単形性心室頻拍で,薬物治療が無効または副作用のため使用不能な場合
2. 植込み型除細動器が頻回に作動し,薬物治療が無効または副作用のため使用不能な場合
3. 単形性心室頻拍が原因で心臓再同期療法の両室ペーシング率が低下して十分な効果が得られず,薬物治療が無効または副作用のため使
用不能な場合
4. 症状がありQOL低下を有する特発性心室頻拍で,薬物治療が有効または未使用でも患者がカテーテルアブレーションを希望する場合
ClassⅡ a:
1. 無症状の流出路起源の特発性心室頻拍で,心拍数が著しく速い場合
2. 流出路起源の特発性心室頻拍で,薬物治療が有効または未使用でも患者がカテーテルアブレーションを希望する場合
特発性心室頻拍に対するカテーテルアブレーションは安定した効果が得られ234)-241),最近では心筋深層部起源であっても通電部位を工夫する
ことにより高い成功率が得られるようになった242)-245).その一方で心筋梗塞や心筋症等の器質的心疾患を伴う心室頻拍はアブレーションが困難
であり,たとえ治療に成功したとしても基礎心疾患の進行による不整脈基盤の変化や病状の悪化により不整脈の再発が多い246)-252).最近の大
規模試験の結果では,突然死の予防という目的では,植込み型除細動器が確実な方法であることが明らかにされている45),253)-255).しかし,
植込み型除細動器が使用されていても頻拍発作によるQOL低下があり,その作動回数が多い場合には生命予後が悪い256).このような状況では
カテーテルアブレーションが心室頻拍発作回数を減少させる有力な治療手段となり得る257),258).
不整脈の非薬物治療ガイドライン(2011年改訂版)
Guidelines for Non-Pharmacotherapy of Cardiac Arrhythmias(JCS 2011)